
ここでは、海外FX業者「XM」における両建てについて解説していきます。
両建てにはおこなっても大丈夫な「OKパターン」と、おこなうと口座凍結などをされてしまう「禁止パターン」の2つがあります。
OKパターンと禁止パターン、それぞれの違いをよく理解した上で、間違った両建てをしないように注意する必要があります。
なお、両建てをするメリットについてもご紹介していきますので、FX初心者の方も参考にしてみてください。
目次-この記事で分かること
XMの両建て禁止パターン!ゼロカット発動目的はNG
XMでは以下のケースにおける両建てを禁止しています。
XMの両建て禁止パターン
- XM内の別口座間での両建て
- XMと別業者間での両建て
- 複数人口座を利用した両建て
- 窓開けトレード目当ての両建て
- 裁定取引(アービトラージ)目当ての両建て
そもそも両建てが禁止されているのは、ユーザーにXMが採用するゼロカットを悪用させないためです。
ゼロカットというのは、口座の残高がマイナスになってもXMが補填をしてくれるというシステムのことを指します。

このゼロカットがあるおかげで、XMユーザーは追証発生による借金リスクなしで取引が出来ています。

しかし、実はこのゼロカットと両建てを組み合わせると「リスクなしで荒稼ぎが出来てしまう」という、FX業者側にとっての大きなデメリットが生まれてしまうわけです。
XMではひとつのアカウントで8つまで口座を保有することができますので、以下の例のように口座間を跨いで両建てをするとゼロカットされた時に必ずどちらかに大きな利益が生まれるのです。
例えば、このとき同一銘柄の通貨ペアを「A口座では売り、B口座では買い」という形でエントリーしたとしましょう。
そして仮にレートが急激に下落した場合、B口座は強制ロスカットを受けますがA口座の売りポジションは利益をどんどん増やします。
しかもB口座の損失はゼロカットによって「入金額まで」と限定されていますので、FX業者側はマイナスを補填するだけという損な役回りをさせられます。

そこで、XMでは様々なパターンに対応した「禁止両建て行為」というものを設定しているのです。
①XM内の別口座間での両建て
こちらは先ほどの例に出したパターンの両建て行為となります。XM内のA口座とB口座で同一通貨ペアの反対売買をおこなうという形ですね。
説明したように、この両建て方法が禁止されている理由はとても分かりやすいものとなっていますので、実際にわざとおこなうという人はいないでしょう。
しかし、仮にA口座を裁量トレード用、B口座を自動売買用と分けていたとすると注意が必要です。
というのも、B口座の自動売買の注文に気づかず「うっかりA口座で両建てに該当する取引」をしてしまうこともあるからです。
そのため、別口座で自動売買ツールを使用している場合は十分に気を付けるようにしましょう。
②XMと別業者間での両建て
XM内の別口座間で両建てが出来ないのであれば、別のFX業者を利用して両建てをしようと企む人も当然でてきます。
しかし、これももちろん禁止されている両建て行為ですのでNGです。
たとえばXMとGEMFOREXで口座開設をして、それぞれの口座で買いと売りの両方を注文するといった形ですね。
なお、これには「MT4やMT5経由でバレる」といった意見や「同一IPからの取引だとバレる」といった意見が挙がっていますが、どういった理由にせよ発覚することは間違いありません。
そのため、決して別業者間での両建てはしないようにしましょう。
③複数人口座を利用した両建て
XMではグループ間での取引行為を禁止しています。
このグループ間での取引というのは、複数人の口座を利用して両建て取引をすることを指しています。
つまり「別々のアカウントから両建てをすればバレないだろう」という発想からおこなわれる両建て行為のことですね。
これもネット経由ですぐに発覚しますので、やらないようにしてください。
④窓開けトレード目当ての両建て
FXでは週をまたぐ際に発生する「窓開け」の相場で稼ぐトレーダーというのもいます。

こうしたどちらに大きく傾くか分からない状態の中で、ギャンブル的なトレードで儲けようとする人もいるわけです。
なお、こうしたときに両建てをするとXM側から禁止されている取引をおこなっていると判断されるリスクがあります。
ちなみにXMでは単発での窓開けトレード自体は禁止されていません。
しかし、そもそもリスクの高いハイレバレッジ取引というのはFX業者側が嫌う行為ですので、やりすぎは禁物です。
⑤裁定取引(アービトラージ)目当ての両建て
XMではアービトラージ狙いでの取引を禁止しています。
アービトラージは裁定取引とも呼ばれますが、同じ銘柄における一時的な価格差を狙った売買のことです。
たとえばXMとは別の業者のレートは上がっているのに、XMのレートは不自然なほど上がらなかったとしましょう。
このとき、両業者間にはレートの歪み・ズレが発生しています。
これをレイテンシーアービトラージとも言いますが、当然XMでは禁止されている行為ですので覚えておいてください。
XMの両建てOKパターン
次にXMで両建てがOKとされるパターンです。
両建てOKとされるパターンは非常に簡単で、「同一口座内であれば両建ては認められる」とされています。

つまりひとつの口座内であれば、買い・売り両方のポジションが持てるということですね。
これは、XMに限らず、どの海外FX業者でも許容されています。
XMと他業者の両建てに対する対応の比較
ここでXMと他業者における、それぞれのサイトでの両建て行為への対応を見ておきましょう。
主要な海外FXサイトでの両建て対応は以上のような形となっています。
同一口座間 | 同一業者別口座間 | 別業者間 | |
---|---|---|---|
XM![]() |
OK | NG | NG |
iForex![]() |
OK | NG | NG |
TitanFX![]() |
OK | OK ゼロカット狙いは禁止 |
OK ゼロカット狙いは禁止 |
Axiory![]() |
OK | OK ゼロカット狙いは禁止の可能性大 |
OK ゼロカット狙いは禁止の可能性大 |
Tradeview![]() |
OK | OK ゼロカット狙いは禁止の可能性大 |
OK ゼロカット狙いは禁止の可能性大 |
FBS![]() |
OK | NG | OK ゼロカット狙いは禁止 |
ただし、TaitanFXおよびFBSではゼロカットを狙っての悪質な両建ては禁止されています。
XMで気付かずに禁止の両建てをしているパターンに注意
禁止されている両建てパターンのところでも説明しましたが、両建てには気付かずおこなっているケースもあります。それが以下です。
- 自動売買用の口座における両建て
そのほかにも相関性の高い通貨ペアや同一通貨をヘッジするための注文で両建てとなることもあり得ます。
なお、もちろん同一口座内であれば相関性の高いドル円やユーロ円で両建てをおこなっても大丈夫です。
XMで両建てするとバレる!バレたら口座凍結?
次にXMで両建てがバレるとどうなるのか?という問題について説明していきましょう。
まずXM側に両建て行為がバレると注意のメールが届きます。
これは「あなたの保有する口座で両建てがおこなわれていますよ。早く解除してください」といった内容のメールです。
このとき、素直にポジションを決済してしまえば特に処罰は受けません。
しかし、このメールを無視してポジションを保有し続けたり、再三にわたって同じような取引をしていたりすると「口座凍結」という措置がくだされます。
ちなみに口座凍結がされるともうその口座は使えません。もちろん利益分の出金が出来なくなりますし、新しく口座を作りなおす必要も出てきます。
こうした面倒な事態にならないためにも、注意メールが届いたら素直に従うようにしましょう。
XMで両建てを行うメリット
XMでは同一口座間の両建ては認められています。
しかし、同一口座間でやる両建てに意味を見出せないという方もいると思います。
そこでそもそも両建てをするメリットとは何か?という部分もチェックしていきましょう。
①両建て中は証拠金不要
同一口座内での両建てには「証拠金を相殺してくれる」というメリットがあります。なお、反対ポジションの取引量がちょうど同じ状態のときは証拠金がゼロになります。
- 例1)ドル円を買い10ロット、売り8ロット保有していた場合
必要となる証拠金は買い2ロット分のみ - 例2)ドル円を買い10ロット、売り10ロット保有していた場合
エントリーしたタイミングは問わず証拠金が相殺されて必要証拠金=ゼロになる
こうした仕組みを利用すると、少額の証拠金で多くのポジションを保有することが可能となります。
②一時的にリスクを抑えられる
同一口座内での両建ては証拠金が相殺されると言いましたが、この仕組みは一時的にロスカットを防ぎたいというときにとても役立ちます。
また、長期間に渡って保有する注文と短期間で決済をする注文を組み合わせるときにも非常に便利です。
少額の資金でFXを始めるという方にとってはありがたい仕組みですので、うまく活用してみてください。
③XMP(XMポイント)が付与される
XMで認められている両建てであれば、それぞれの取引に対してXMPが付与されます。

ちなみにXMPというのは取引ごとに貰えるXM独自のポイントのことで、クレジットや現金と交換が可能です。
両建てで必要証拠金を抑えながら大きな取引をおこなえれば、その分ボーナスも多く貰えます。
このシステムを賢く使えばボーナスポイントがどんどん貯まり、必要証拠金に交換できるXMPが蓄えられていきます。
ある程度貯まったところでXMPをクレジットに換えれば、さらに大きな取引ができるようになりますので、ぜひ参考までに覚えておいてください。
XMについて、さらに詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。口座開設、取引方法からメリット・デメリットまで詳しく解説しています。
→XMの評判【XMを利用するメリット・デメリットを完全解説】